連休は香川へ。
昨年開催された『瀬戸内国際芸術祭』の継続作品を見るために。
わぁぁぁぁぁーーーーーっと。
東京→岡山8時間。寝静まった夜の街が、大きな車窓を流れていく。
それは未体験の非日常。まるで深夜の学校に忍び込んだような、ワクワクドキドキ、いっぱいの夜。
ZZZZZ。
朝が来て、寝台列車は岡山へ到着。
宇野港から渡る本日の目的地、直島は、芸術祭以前からアートの島として知られている。
①島の南側、積浦地区は「ベネッセアートサイト」の中心的エリア。
長閑で静かな瀬戸内の前に、「地中美術館」「ベネッセハウス」「李禹煥美術館」と、アート施設が点在している。
私たちが鑑賞したのは、建物丸ごと地中に埋まる、その名も「地中美術館」。
一貫性がないようで、ある、全体のテーマは、光。
自然光で見るモネは、堅苦しい照明の下よりよっぽど生き生きしていたし、ウォルター・デ・マリアやジェームズ・タレルの作品は、光と時間、光と人体との関係を、強烈な驚きと共に、教えてくれる作品だった。
歩き疲れた私たちは、瀬戸内海を望む地中カフェで一服。大きな空と海を前に、深呼吸。。。
相次ぐ原発不安から、安心して息も出来ない日が続いていたのだ。震災以来、外出すらままならなかったから、普通に息をして、歩ける。それがとても新鮮だった。
地中美術館を後にして、海辺まで歩く。
と、道の途中に、お地蔵さまが。
昔からある地蔵ではなく、産業廃棄物を素材に生まれた地蔵だという。
伝わる、作品である。批判を批判だけで終わらせず、人の心に反省を促す。それも、アートの仕事。
更に進むと、こ、古代遺跡?
と、よく見たら温泉。中国人作家による、風水と巨石の力を取り入れた作品だそう。アート=パワースポットの好例。
潮騒の聞こえる浜辺まで戻ると、草間彌生の大きな南瓜が迎えてくれた。
②島の東側、大村地区は古民家が建ち並ぶ、どこか懐かしい雰囲気のエリア。
立ち寄ったうどん屋さんは、子供の頃の春休みを呼び覚ますような佇まい。。。
大村地区で見られる展示は、古民家を改築して作品化した、その名も「家プロジェクト」。
空家がアートに大変身の、大竹伸朗「はいしゃ」。
更に細い路地を進み、漆の表現に感銘を受けた、千住博「石橋」は撮影禁止だったけど、
直島は至るところに、作品を見つける楽しみが、満載。
さて、右脳大解放の1日もいよいよ終わり。
夕刻、再び草間彌生に見送られながら、島を後にする。
四国高松までは、夕陽とカモメと、追いかけっこの1時間。
束の間の旅の始まりを、感じながら風に吹かれた。