小金井市にある「江戸・東京たてもの園」に行ってきた。
ここは、江戸~大正辺りに建てられた文化的価値の高い建物を移築、復元して展示する屋外博物館。
建物だけでなく、古き良き街並みや武蔵野の農村も再現され、私が東京市部で最も好きな場所でもある。
荒物屋さん。
仕立屋さん。
和傘屋さん。
文具屋さん。などなど。
ここを歩いていると、かつての日本人が、それぞれ小さな商いを頑張り、小さな暮らしを楽しんでいたことが分かる。
それに比べて現代は、便利になって、可能性も広がった反面、商いも暮らしも大きくなりすぎ、ストレスになってしまっている、気がする。
例えば、インターネットで世界に繋がる。これだけ聞けば良い気がするけど、欲に際限がなくなるというのか、「○○ができる。××もできる」となった代わりに、「○○がしたい、××もしたい。でも、できない」というような、不安や不満も増えた気がする。
江戸っ子は「宵越しの金」をもたなかったらしい。
過去を悔やむこともなければ、未来を不安視することもない、「今、ここ」だけの精神は、あれもこれも求めずに、小さな暮らしと小さな商いを楽しむことでのみ実現できたのかもしれない。
大きな商いで大きな金稼いで、大きな暮らしを楽しむ。そういう現代人のスタイルは、そろそろ限界なんじゃないのかな。生理的に。