ということで、淡路島に行ってきました。
淡路島とは、兵庫と徳島の間に浮かぶ大きな島。多くの人にとっては、「玉ねぎ」のイメージが強いかもしれませんが、
実は「古事記」の冒頭、日本という土地の天地創造を描いた神話の中で、「国生みの島」として登場するのが、ここ淡路島。つまり今の日本はここから始まったとされるほど由緒正しい島なのです。
そんな淡路島の何が素晴らしいって、ひとつには「食材の豊かさ」。島には田んぼや畑、牧場が広がり、周囲はもちろん海だから、米、野菜、肉、魚と名産品も多く、その食料自給率は軽く100%を超えるんだとか。
その分、田舎には違いありません。駅もコンビニもないし、不便は不便。しかしだからこそ、自分で作ったり地元で育ったりした食材を、味わう時間があるのです。
考えてみたら、こんなにまともな食事をしたのは、久しぶりのことでした。「食べるために」働いているはずが、都会の暮らしは忙しい。大切なことが疎かになってしまうのです。
食材そのものもそう。都会のコンビニやスーパーには、確かに種類こそ並んでいるけど、どれもが「モノ」として並んでいるだけ。どんな人が作ったとか、どんな土地で育ったとか、それを味わうことはありません。
「食材の豊かさ」とは、単にその量や質だけを問うものではないのかも。「口福」という言葉があるけれど、その一口からどれだけの幸せを得るか。自分のことを顧みれば、それは「暮らし方」とセットで、考えるべきことなのかも。
都会で当たり前のようにしている暮らしは、どこかが少し狂っているのではないか。忙しさと引き換えに、大きなものを失っているのではないか。淡路島は、時代を超えても流されることのない大切なことを、しっかり今に伝える島なのではないか。
感銘だらけの1泊2日。明石海峡を渡るまで、夢を見ているようでした。
これが、国生みの島の力なのかな。