私の畑に、苺がなった。
赤く色づいた実を、採ってそのまま口に入れる。甘くて少し酸っぱくて、苺らしいシンプルな味だ。
収穫は5粒。全体的にいびつ。サイズも2つとして同じものがない。
スーパーで売られているのとは違う。これが、苺本来の姿だ。
ほぼ時を同じくして、私の味噌が、完成した。
早速、味噌汁を作る。発酵がまだ浅いのか、麹の粒が残っている。味は甘酒っぽく、麹の味がするようだ。
味噌の素材は大豆と麹。だが、こんなにも麹の味を感じたことはなかった。
スーパーで売られているのとは違う。これが、味噌本来の味だ。
苺と味噌から学ぶ当たり前のこと。それは、苺も味噌も自然由来のものだということ。
形が違うのは当たり前だし、素材の味が残るのだって当たり前のことだ。
それを、人の都合で揃えたり整えたりしたら、ただの工業製品になってしまう。
これは人も同じではないか。
1人1人違うのは当たり前だし、生まれもった個性だって、消そうと潰そうと出てきてしまう。
工業製品じゃないんだから、その違いをこそ生かさなければならないのだ。