GWに、紅葉と温泉で有名な「養老渓谷」に行った。
目的は観光ではなく、キャンプ場の候補地視察だ。
20年以上、事業としてキャンプに関わり、いつか自分のキャンプ場を、というRさんの夢に、拠点を増やしたいTさんと、田舎暮らししたい私が乗っかり、日帰りツアーが実現した。
初めての養老渓谷は、なかなかのミステリーツアーだった。
まず前日に「汚れてもいい格好で」と念を押された。業者さんからもらった地図は、明治9年製のため現況がまるで不明。自力ではたどり着けないのか、当日の待ち合わせは、12キロ離れたパーキングエリア。そして「車が傷むといけないから」と、途中で四駆に乗り換えた。一体、どんな土地が待っているんだ!
舗装のない道でごろごろと揺られ、気分はほぼサファリパーク。そして到着した土地は、3万坪の原野だった。東京ドーム2個分。。。
聞けば、30年かけて開拓したが、メンバーが高齢化したため、それも含めて譲りたいという。
か、開拓! 開拓から!?
あちこちに猪の足跡
パワースポットっぽい滝壺
結局、この土地は買わないことになりそうだけど、面白かったことは2つ。
- 開拓者たちとの出会い
田舎暮らしに憧れる私は、自給自足したり、自分で家を建てたりする人の情報を見聞きする。ただ、直接目にするのは、今回が初めてだった。
自ら拓いた土地のあれこれを、懐かしそうに(少し寂しそうに)案内してくれるおじいさんたち。未開拓の土地で過ごした時間は、きっと毎日が冒険だったはず。
そんな想像をしてみると、姿は確かに老人だが、心はどこか少年っぽく、その志だけでも引き継いであげたいような気がした。
- 少年のような時間
今回のツアーは、キャンプ場が欲しいRさんと、それを面白がる私たちがいたことで成立。元は行きつけの「なか卯」で出た、軽い呟きがきっかけだった。
私たちの関係は、「近くに住んでるだけの人」であって、ビジネスパートナーではない。だけど小さな夢を共有するっていうのかな、それに便乗してみることで、こんなワクワクするときが過ごせるのだ。
私は友達が少なくて、家で漫画ばっかり描いてる子供だったけど、今、こんな年になって初めて、親に内緒で秘密基地作ってる、少年気分を味わった。
ということで、気の置けない仲間と過ごす、ちょっと意味のありそうな時間は楽しい。
「実になるか」なんて分からないけど、今後はもっと軽やかに、こういう時間を増やしていきたい。