あれから、半年。
都立駒込病院に、再検診に行ってきた。
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」というが、こんなことでもなきゃ思い出さない。あの「ガンとの関わりなし」と言い渡された日、帰り道の団子坂で、涙が溢れた日のことは。
体調を崩したのは、「働きすぎ」が原因であった。
私は、顔に似合わずホスピタリティが高いほうで、大きなことから小さなことまで、人に助けを求められる。
で、現場を助けているうちはまだよかったが、次第に営業で病んだ新卒(=扱いづらい)とか、新任のリーダー(=上司)とかが、取り敢えず私のところに入るようになった。共に働く以上、教えなければならないから、通常業務は抱えたままで、実質、教育担当だ。仕事が増えた。
とはいえ、これ自体は悪いことじゃない。仕事がなくなるよりはマシだ。
悪かったのは、毎晩、深夜まで働くほど仕事が溢れても、相談できる人がいなかったこと。「察してくれる」を期待して、声を上げずに耐え続けたこと。
結果、ストレスが体に出た。
会社は体までは案じてくれない。それは自分で守るしかない。「ゆかちゃん、今のままじゃいけないよ」と、体が教えてくれたような気がした。
そして半年後の現在。
私の働きかたは、以前よりもマシになった。帰りたければ帰るし、納得できなきゃ反発もする。
もちろん真面目に働くのは大切なこと。だけど「したくないこと」を決め「しません」と伝えるのも、同じぐらい大切なことだ。
鬼に見える上司でも、頑張っているメンバーに辛さを抱えさせたいわけじゃない。
「上司なんだから分かれ!」と影で文句いうぐらいなら、どうすれば分かり合えるか、考えたほうが早いのだ。
辛いときは表明する。伝わらなければボイコットしてでも伝える。
会社に私の代わりはいても、私に私の代わりはいない。