久しぶりの土曜日。
東大の銀杏がまだあると聞き、本郷界隈を散策した。
本郷を歩くと、懐かしい気分になる。
6年住んだのもあるけど、ときの流れが穏やかなのだ。
「懐かしい」と「穏やかだ」は近い。
懐かしい風景の中では、穏やかにときが流れている。「変わる」ことと縁が薄く、こっちもそれを強要されない。
今のままでいいという、究極の肯定がある。
夕方からは、ある人に会った。
私に、究極の肯定をくれた人だ。
「もう○回しか会えないね」と口にした瞬間、強烈な淋しさよりも、自分が早く頑張って、○+1回目を作ろうと思った。
穏やかな人は、良くも悪くも変わらないから、懐かしいあの顔で、きっと待っていてくれるだろう。
影が美しく見える世界に、冬の訪れを感じ取る。
季節は巡る。春もまた来る。