ゆかこの部屋

小さな幸せを集めて貯めるblog

温かい心の1日

昨日は、印象に残る1日だった。

 

パブの開店準備をしていたら、私が篠山で1番お世話になっているHさんが、わざわざ会いに来てくれた。

私が「営業を辞める」ことを聞いたようで、「(会社は認めていないかもしれないが)あなたの功績は大きかった。あなたの頑張りを近くで見ていたら、身内でなくても応援したくなった。あなたはあなたを褒めて良い。」というようなことを言ってくれた。

教えてもらったのは、「モノではなくヒト(自分)を売る」こと。その通りにする中で「自分なりの成功パターン」も見つかりつつあった。

その方法で頑張るには、時間も予算も足りなかったけど、私は多分、一生モノの武器を見つけたと思う。

 

17時からはパブ営業。

「酒場って良いよね」と思うことがいくつもあった。

最初は、夏休みを利用して「クラフトビール旅」をしている人が来てくれて、古民家の雰囲気や「旅するビール」の考えを絶賛してくれた。

するとそこに、「稲刈り」で帰省していた地元出身者が来て、旅人も含めガヤガヤとしてくれた。

 

若者たちは一旦退けて、今度は地元の名士が来てくれた。

自分の地元がどれだけ素晴らしいかを散々語った後、「困ったことがあったら相談しなさい!」と、言い残して去っていった。何ならスポンサードも。

 

その後、神戸の女子3人組が来てくれた。古民家に興奮していたので、庭の照明をつけてあげたら、更に興奮しまくっていた。

そして午後9時を過ぎ、やっと予約客が来てくれた(10時閉店)。

女子3人組と同宿らしいのでそれを教えてあげたら、「神戸から」という共通点もあり、すぐに意気投合していた。

その間私は、昨日で40才になり、「こじらせてる」から移住を考えているという女子に、自分の経験談をしてあげた。

 

これが、昨夜のできごとである。

酒場には、人の垣根を簡単に越えさせる力がある。古民家という非日常や、ビールという自由なお酒がそうさせるのだと思う。

 

実はこのパブには、「一旦閉める」という選択肢もあった。

田舎なので、人がわんさか入ることはないし、売上だって多くない。「(外回りで)忙しいなら、一旦閉店したら?」という声があったのだ。

だけど閉じてしまったら、失うものは売上だけではない。古民家が与える非日常的な感動とか、それに演出される出会いとか、ここを応援したい人の気持ちとか、毎日こんなことばかりではないにせよ、そういうイメージや「近いうちに行ってみたい」という期待までも裏切ることになる。

 

表に出る数字だけで判断してはいけない。

前半のHさんとの取り組みも含めて、私が頑張れた根底にあったのは、「喜んでくれる人」が目に見えたからだ。

自分が得をしなくても、見ているだけで幸せになれる瞬間があって、それを生み出せる(喜ばれる)かが、自分次第なのだとしたら、私は頑張りたかったのだ。

 

端的に言って、お金ばっかり目的にするのは、悲しいって話。

お金をくれるのは人。私があげられるのは心。

お金と心の二択の中で、心を選んだって話。

お金しか見えない人に、私ならお金をあげない。