スキーは雪山でするもんであって、雪のない土の上で、板を滑らせる人はいない。
何故か。
滑らないからだ。
どんなに頑張ったって、ダメなことはある。というより、土の上でするスキーなんて、そもそもする意味がない。
会社の人はよくいう。
「出来ないことを出来るようになろう」
それは良いことだ。
運動音痴のAくんが、プロスキーヤーに憧れて猛特訓を積んだ。そして本人も夢を叶えた。美談だと思う。
では、「土の上でするスキー」と、「Aくんのスキー」と、両者の違いは何だろう?
それは、「憧れ」という感情が、媒介になっていることだ。
憧れの背景には、「稼げる」とか「モテる」とか、表面的なものもあるにせよ、その結果満たされているのは、Aくんの「感情」に他ならない。
私は感情が満たされる仕事がしたいし、クライアントの感情を満たすパートナーとして、存在したいと思う。
感情=最も目に見えにくく、最もお金にしにくい部分、だからこそ、このビジネスモデルの出尽くした世界において、最後の砦でいるんだろう。感情って。