秋です。祭りのシーズンです。
私のように独身ですと、神輿を担ぐ理由もなければ、地域と関わるきっかけもありません。ゆっくり寝たい週末の朝から、ピーヒャラされてはたまらない!
…なんて、思っていたのは3年前。
今年はその祭りに対する、江戸っ子の「想い」を取材させていただきました。
江戸だった地域に暮らしながら、江戸だったことを意識する機会は多くないもの。江戸なんて、大河だけの世界と思っていました。しかし、どうやらそうではなく、5年暮らしただけの私も、江戸だったことを伝承する立場になっているのです。
それにしても、忘れられない3年前。
酔って明け方、部屋の鍵を失くし、中に入るのに鍵屋を呼んで、4万円という大枚を払いました。
鍵を開けてくれる人のいない、独身生活の悲哀。その日は根津神社の祭りで、外はピーヒャラ騒がしく、うるせぇな!を通り越し、めそめそ泣いたのを覚えています。
そして3年の月日が流れ、同じ地域の祭りについて、取材を通して感動できたり、人に伝えられたりするようになった今の私。
出来事は同じだというのに、自分のコンディション次第で、解釈はプラスにもマイナスにもなる。「根津神社祭礼」というと、どん底だったあの日を思い出さずにいられません。