「土の人、風の人」という考えかたがあるらしい。
地域おこしにおける役割分担を指すもので、土の人は文字通り、その土地に生まれ育った人のこと。古くから伝わってきたものを、未来へ受け継ぐ人のことだ。
一方風の人は、風を入れる人のこと。よその土地から吹いてきて、影響を残し去る人のことを指す。
「風土」という言葉があるように、地域にはそのどちらもが必要で、土がなければ始まらないし、風がなければ動いていかない。と、どうやらそういうことらしい。
これを教えてくれたのは、西粟倉のイベントに来ていた料理研究家の丸山寛子さんだ。
一度は西粟倉への移住を考えたが、自分は「風の人」であることに気づき、今は西粟倉を含む全国各地の生産者を訪ね歩いているそう。
土の人、風の人。
私はどっちになりたいか。
………風だ。
「移住先を検討」していた最近の私。しかし探せば探すほど目移りするもので、ひとっところに根が張れない性質を恨んですらいたが、「風の人」という概念を聞いて、とても気が楽になった。
というのも、埼玉で生まれ、0才のうちに奈良に転居。7才で静岡に転居し、18才で上京。25才で韓国に飛び、27才で再び東京に戻るが、未だそこら中をほっつき歩いている私が、「土の人」になんかなれるわけがないのである。
「関係人口」という言葉が注目されるのも、きっと似たような人が多いからだろう。
というわけで今後は、「移住」という枠に囚われすぎず、今までより「強い」関係人口になる道を模索する。
具体的には自然栽培やキャリアカウンセリングやリトリートを学び、自分なりの体系を確立しながら、行政やNPOと…むにゃむにゃむにゃ。の前に、コミュニティ力か、やっぱ。
道のりは長いが、妄想は自由。