ここんとこ、どうにも耳から離れない曲があって、よくよく調べてみたら、フジファブリックの「若者のすべて」だった。
フジファブリックというと、10年ほど前にボーカルが亡くなったことは覚えていたが、調べてみたらその人は、私と同世代な上に、奥田民生の影響が強いと。そりゃ、気になるに決まってるわ。
というわけで、これでもかとYouTubeリピート。改めてでもそれに共鳴するとき、私はそっち側にいるのを感じて、それに共鳴しないとき、私はこっち側にいるのを感じる。
そっちこっちというのは、大人になる前の自分と、なった後の自分である。素直な感情にフタをしてるか、してないかの違い。感情を殺してでも生きるのを合理的だと感じるとき、子供は大人になるのだろう。
あれこれ迷うのは、この子供と大人の間らへんの、葛藤にまみれた時期だ。子供みたいに感情だけでは生きられず、とはいえ大人みたいに合理だけでも生きられない。だから迷うし、表現するし、ロックなんかはそれでできているのかもしれない。
何がいいたいかというと、この感覚を忘れたくないのだ。
悲しいものは悲しい。切ないものは切ない。だからこそ嬉しいものは嬉しいし、共感はそこにしか生まれない。
それが感情である以上、ポジティブなものだけを残すことはできなくて、どんなに忌み嫌ったとしても、ネガティブなものを含め味わうのが人生だ。
頭でっかちにならないために、みずみずしさを失わないために、新陳代謝のできる心でありたい。