ゆかこの部屋

小さな幸せを集めて貯めるblog

これもある種の愛情か

GWに熱海に行った。

目的は温泉、ではなく、結婚するつもりの彼を母に紹介するためだ。

大真面目な彼は、泊まりなのにわざわざスーツを持参。母を見るなり、「本日はお時間いただきありがとうございます!」など、面接に来た人みたいな言葉を連発。

母からの感想は「あんな真面目そうな人初めて見た(笑)」ということで、文末の(笑)に含まれる言外の意味を感知できないわけではなかったが、敢えて言及もしなかった。母よ、初対面では分からないこともあるのだ。

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そんな私たちの初対面は、1年前のGWだった。

私の第一印象も「あんな真面目そうな人初めて見た」。文末に(笑)はなかったが、唯一印象に残ったのは、4月生まれの私に、バースデープレートを準備してくれたこと。初対面なのに、どんな女が現れるかも分からないのに、だ。

何度か会ううちに、「人を喜ばせるのが好きな人」だということが分かってきた。世間にはこういう性格を「自称」する人も多いが、この彼は正真正銘。

打算的な私は、一緒にいるのが「得」だと判断した。性格悪く見えるだろうが、最初は本当にそうだった。

が、彼との関わり合いの中で、私は私自身の善良な一面とも出会うことになる。自分でも驚いたが、全身全霊で尽くし、大切にしてくれる彼に、「返せるもの」がないか考え始めたのだ。

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彼の欲しいものは何か。彼に不足しているけれど、彼自身の力で得がたいものは何か。半分は研究的な興味もあったが、自分なりに仮説を立て、ヒアリングを重ねた結果、運良く私があげられそうなものだと分かった。

「それ」は何かと聞かれれば、「肯定」とか「自信」とかいうようなもの。日常的なコミュニケーションの中であげることにした。

例えば何かをしてもらったとき、「ありがとう」は多めに伝える。嬉しかった理由も明確に。

彼の良い面を見つけたときは、小さなことでも大きく伝える。紙に書いて渡すこともある。

何かを指摘するときは、ポジティブな表現を心がける。過去を責める言葉ではなく未来を創る言葉で。

するとそれが「入力」になり、彼は私をもっと喜ばせてくれる。それ自体が彼の喜びだからだ。

※ちなみに彼は、たまにAIに見えるほど学習能力が高い。

婚活アプリで出会った私たちは、いわゆる「男女」的なことで惹かれ合った記憶は薄い。デートらしい会話はほとんどしないし、彼を父親みたいに感じることもあれば、後輩みたいに感じることもよくある。

が、さまざまなコミュニケーションを通じて、現在の関係に至ったことも事実。

純粋で真面目な彼と打算的な私という組み合わせだが、これもある種の「愛情」なのだろう。