ゆかこの部屋

小さな幸せを集めて貯めるblog

43才、初めての妊娠(6週)

金木犀の香る季節に、初めて妊婦になりました。

43才、まさかの自然妊娠。

1週間ほど生理が遅れ、食後に軽い胃もたれが。後から思えば「妊娠初期症状」でした。(9月28日)

翌日、検査薬は「陽性」に。その日も胃もたれがあり、夕方に少しだけ仮眠。妊娠した途端、体が変わることに驚きながらも、自分が妊婦になったことを実感できない日々が始まりました。

その日の夜は彼が来て(まだ一緒には住んでいない)、最寄りの駅で顔を合わせるも、彼は無言。私も無言。少しの沈黙の後、手を握ったら涙が溢れてきました。

涙の正体は、不安です。「できた」喜びを上回る年齢的な不安。急に訪れた、巨大すぎる現実に対する戸惑い。突然、大きな船に乗せられて、未知の大陸に連れ去られるような。興味はもちろんあったけど、本当に乗るとは思っていなかった、ような。

 

翌々日、病院で検診を受けました。

推定では妊娠5週6日。出産予定日は5月28日。子宮外妊娠、子宮筋腫などの逼迫したリスクはない。胎嚢(赤ちゃんの部屋)も成長している。

が、ほぼ6週だというのに、心拍は確認できない。胎嚢の形もいびつである。40代の妊娠は、半数に流産のリスクがある。また1週間後に来てほしい。とのこと。

この日の夜も、彼が来てくれました。病院で聞いたことを伝えつつ、それぞれの感情を共有。その多くは、この年齢で産み、育てることに対する不安です。彼曰く「仕事そっちのけで調べてみたが、高齢出産に安心できる情報は少ない」とのこと。

心が不安に占拠された、妊娠発覚からの数日。

ですが、嬉しくなかったかと聞かれれば、もちろんそんなことはないわけで、流産するかしないか五分五分の状況にある今(10月2日)だからこそ書き残すとすれば、妊娠できただけでも、私は充分嬉しかったのです。

というのも、私は思春期の頃から「自分は女の子ではないのではないか?」と考えることが少なくなく、例えば、体の成長が早く中1の時点で身長が165cmあったにもかかわらず、初潮が来たのは14才10ヶ月と遅かった。その後はその後で、20代まで月経不順。32才のとき突然治りはしたが、「子供が欲しい」とまで思い至ることはなく、43才の今を迎えたからです。

私には決定的に「女の何か」が不足している。そんな想いを抱えてきた私が、彼と出会って数ヶ月。ごく最近になって、子供を産んでみたい、育ててみたいと夢想していたのは事実だし、後のことはどうあれ、入口にまでは立てたことも事実。

「私にも妊娠する能力があったんだ!」という、長いこと否定してきた自分の中の「ある部分」を、肯定された気がしたのです。

tokyo100k.hatenablog.jp

43才が自然妊娠する確率は、1年以内で20%とのこと。その50%が流産するということは、出産まで至るのは10%ということです。私は今、20%から10%に残れるかというところにいます。

今の正直な感情として、流産するのは怖い。出産するのも怖い。育てるのなんてもっと怖い。だけど、妊娠できたことは嬉しい。

43才になるまで、生まれることのなかったこの感情。今後何があったとしても受け容れるために、この感情だけは、残しておきたい。