ゆかこの部屋

小さな幸せを集めて貯めるblog

向こうの毒親(妊娠9週/3ヶ月)

妊娠9週(10/23-29)のふりかえり。

体調はどんどん良くなり、「少量の食事を頻回」さえ心がけていれば、気分が悪くなることもなくなった。「つわりのピークは8週」と聞くので、大きな山を迎えることもなく、私はつわりを終えたのかも。

家事や仕事は普通にできるし、何より違うのは気力。電車でどこかへ行くことが億劫でなくなり、あちこち散歩に行った。楽しかった。

この週、唯一もやもやしたのは、冒頭、土曜日〜日曜日のできごと。

土曜日、彼は母上に入ってもらう予定の老人ホーム見学(現在一緒に住んでいるので、結婚するために退去してもらわなければならない)。しかし、母上は典型的な「毒親」で、息子の未来に協力する気などさらさらないどころか、自らが生存するためなら、息子の足を引っ張ることさえ平気でできるような人なのだ。

この母親のために彼が強いられてきた苦労を聞くと、「えっ、それって本当に現代の話?」という内容も多く、「この人は必ず幸せにならなければならない!」と何故か私が奮起して結婚することになったわけだが、そんなことはさておき、「2人で老人ホーム見学」だから、何も起こらないわけがない。

 

気になる連絡があったのは、金曜日の夜。

私:明日は見学だね!喧嘩しないで冷静に「申込み」まで行きましょう

彼:冷静に頑張る。でも、既にブツブツ(行きたくないなど)言い出してる😡

私:現状維持が好きな人だね。でも現実が変わってしまった以上、母上にも変わってもらわねばなりません。泣こうが喚こうが、冷徹に行きましょう

彼:必ず見学に行きます😤

 

一夜明け、土曜日の朝。

彼:✕✕✕✕

たった一言、物騒すぎて書けない内容のLINEが入っていた。何か、揉めてる。

一旦、私は妊婦健診へ。エコーで赤ちゃんの成長を確認した後、検査のために血や尿を取られ、更に分娩予約とNIPT(出生前検査)について、先生にいろいろ頼みごと。

全てを順調に終えた後、体調も良かったので「旧古河庭園」まで散策。見頃の薔薇を鑑賞したり、「古河といえば足尾鉱毒事件…」などと知識人ぶったりしながら、心のもう半分では、あれ以来、連絡の取れない彼を心配している。

 

もやもやもやもや。

っていうか、今、「身重」なのは私だ。正直、「心配する人とされる人が逆なんじゃない?」と思うことがないわけではない。が、努力してそこは考えないようにする。

抱えた荷物は人それぞれ。私の荷物が軽いなら、重い荷物は支えてあげよう。…肩代わりまではしてあげないけど。…恩は一生着せるけど。

 

夕方には連絡があり、ひと悶着あったが、はっきり決別宣言したとあった。

彼によると、母上が今でも恨んでいるのは、今から25年前、彼が実家から逃げるようにして前妻と結婚したこと。

…というのは息子を縛るための表向きの理由で、本当の根っこはもっと昔、意中の人と結婚できず、父上と結婚させられたことにあったらしい。父上は「資産家」の長男だったが、あろうことか才覚なしのため相続できず、そのため金銭的に苦労を強いられ、子供がいたため離婚することもできなかった。

だ・か・ら、息子は一生私の面倒を見るべき、という理屈なのだそうだ。

ま・さ・に、決別すべき毒親

私の母(=30代で離婚して2人の子を育てた)が聞いたら発狂しそうな話だが、同じような年代、同じような岐路に立たされても、選ぶ道の違いで、ここまでその後が違ってくるとは。

翌日曜日。

体調も天気も良かったが、もやもやは残っている。「あれからどうなったんだろう?」という心配と、「身重なのは私なのに、心配ばかりかけやがって!」という苛立ちだ。

加藤諦三先生の本『心の重荷の降ろしかた』を携え散歩に行った。そして読んでみたら、心の重荷が降りた(笑)

「心の重荷」の降ろしかた: 「生きるのがつらい」ときはやり直せばいい (単行本)

この本は元々、彼に読ませようと買ったものだが、期待通り、ものの見事に、母上と私の母の違い、

同じような年代、同じような岐路に立たされても、選ぶ道の違いで、ここまで人生が違ってくるとは。

と感じた部分の答えが書いてあった。

簡単に言うと、自分の身に不幸なできごとが起きたとき、「その現実を受け容れ、具体的な努力をする」か、「現実から目を背けて、自分を磨くこともなしに間違った努力(環境のせいにするなど)をするか」にあるという。

ま・ま・ま、まさに!

私はこういう本を読むとすぐに実践したくなるので、「自分の身に起きた不幸なできごと」=自分が身重なのに、彼は親のことでいっぱいいいっぱいであること、として、「現実的な努力」を考えてみることにした。

正直、私の胸に去来していたのは「身重なのは私なのに、何であなたのことばかり心配しなきゃいけないの!?」という怒りであったし、以前より明らかに冷たくなった彼に対する「こいつ、逃げる気じゃないだろうな!?」という不安でもあった。しかし、これをこのまま伝えて、彼を追い詰めては元も子もない。

結局、自分も不安であることはやんわりと、一方、現実的に進めなければならない部分は明確に伝えることに決めた。

しばらく会わない間に、相談したいことが溜まっています😅

・出生前検査に行く日

・親に報告するタイミング

・入籍するタイミング(現状だとシングルマザーに見える)

・転居のデッドライン(2月がマストと考えます)

 

最近冷たいので正直辛いです。

その後、彼からは大慌てな感じで謝罪する連絡が来た。

予想通り、親のことでいっぱいいっぱいだっただけで、「冷たく」している自覚はなかったらしい。自分も入籍する必要は感じていた、とのこと。

一方で私は、私自身が不安定になっていたことにも気づいた。彼の挙動は全て「予想通り」だったにも関わらず、「逃げるかも」なんて思い違いをいたからだ。責任感の強すぎる人であることを、一番よく分かっているのに。

 

翌月曜日には決めたかったことが全部決まって、この2日間のもやもやが嘘だったかのように落着した。

そして私はしみじみ感じた。

もしかしたらこのお腹の子は、「毒親の下に生まれる」という不幸を抱えた彼が、決別という「具体的な努力」を貫徹するために来てくれたのではないかと。

つわりも起こさず、すくすく育っているこの子。その裏では、膠着状態にあった毒親問題が、半ば強制的に解決へと向かっている。

長い間、黙って耐えてきた彼。私と出会わなければ、一生我慢するつもりだった彼。正面突破で苦しむより、「親のせいで不幸になった」と諦めるほうが楽だったかもしれない。

それでも、自分の未来を選んだのは彼だ。痛みや苦しみは伴っても、親とは決別しなければならない。そんな中で今、この子によって、退路が断たれつつあるのかもしれない。

 

と、こんな風に私は、この現実を受け容れている。