2020年5月23日、「アベノマスク」が届きました。
緊急事態宣言も、週明けには解除かというタイミングでです。
「要らない」「遅い」「汚れている」と非難しか浴びなかったアベノマスク。私はこのアベノマスクを、記憶と共に保管しておきます。
まず、アベノマスクが発表されたのは、2020年4月1日のことでした(遠い目)。
あまりに奇想天外でしたが、エイプリルフールではありませんでした。
安倍晋三首相が全世帯に布マスク2枚を配布すると表明したことについて、与野党からは2日、疑問の声が相次いだ。発表が1日だったことから、「エイプリルフールの冗談かと思った」などの声も上がった。
次いでその経費が、466億円に上ることが発覚。
「その予算をPCR検査に回せ!」など、日本中がツッコミの嵐と化しました。
安倍晋三首相が表明した全世帯への布マスク配布の関連経費が466億円に上ることが9日、明らかになった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ目的だが、多額の国費が投じられることになり、野党などから批判が出ることは必至だ。
4月中旬~GW前には、不良品が明らかに。
回収や検品に追加予算がかかることから、「要らない」という声に拍車がかかりました。
厚生労働省は19日までに、新型コロナウイルス対策で政府が配布した妊婦用の布マスクについて不良品が見つかったと発表した。汚れの付着などの報告が約1900件寄せられたといい、同省は新品と交換する。健康被害は報告されていない。
「そして」というか「やはり」というか、火のあるところに煙は立ちます。
アベノマスクの製造元を巡り、福島市にある「ユースビオ」という、見るからにマスク作ってなさそうな会社への発注が明らかになりました。
菅義偉官房長官は27日の記者会見で、新型コロナウイルス対策として配布した妊婦用布マスクに不良品が見つかった問題をめぐり、新たに福島市のユースビオも受注していたことを明らかにした。(中略)政府が既に公表した興和、伊藤忠商事、マツオカコーポレーションと合わせ、受注業者は計4社となる。
「まさか」というか「やはり」というか、私はこの辺りから、政府に対し「期待」はもちろん「怒り」すら感じなくなっていきました。
と同時にそれは「賢い市民」を目指す、きっかけともなりました。
「黙ってたら殺される」という危機感のようなものから、4月中旬~5月中旬にかけて、そりゃもう、いろいろ勉強したのです。
日本の戦後史、米軍との関係、官僚機構とその弊害、支配層が取りたがる行動、権力とメディアとの関係、自粛警察に現れる日本人の国民性、それを育てたグローバル経済などなど、問題は本当に複雑でした。
そしてそれを解決するには、「賢い市民」が増えなければならない。
………ということを、今はひしひし感じています。
私は今後この発信を「賢い市民を目指す」「その仲間を増やす」ために続けようとしています。
そして、それを宣言するに丁度いいタイミングで、アベノマスクが届きました。「コロナ後」が始まる、今がそのタイミングなのです。
そういう意味では感謝しましょう。
ありがとう、アベノマスク!
最後に、GW前に読んだ本「コロナの時代の僕ら」から、改めて引用しておきます。
(復興が始まったら)支配階級は肩を叩きあって、互いの見事な対応ぶり、真面目な働きぶり、犠牲的行動を褒め讃えるだろう、自分が批判の的になりそうな危機が訪れると、権力者という輩はにわかに団結し、チームワークに目覚めるものだ。
一方、僕らはきっとぼんやりしてしまって、とにかく一切をなかったことにしたがるに違いない。到来するのは闇夜のようでもあり、また忘却の始まりでもある。
もしも、僕たちがあえて今から、元に戻ってほしくないことについて考えない限りは、そうなってしまうはずだ。