仲良しの自営業者さんが、廃業することになった。
私財を犠牲にしても尚、借金が残るんだそうで、未来を憂うより前に、旅に出たいなどといっている。
黙って聞きながらも私は、安定した本業と、楽しい副業とに恵まれた、自分自身を幸せ者だと感じた。
忙しいときは、さっさと辞めたくなるのが仕事。しかし、辞めざるを得なくなった人を見て、恵まれていると感じるのも仕事。
「ないものねだり」の逆は「あるものさがし」というのだそうで、このマインドさえ身につけられれば、毎日は感謝の連続だ。
…という考えかたを教えてくれたのが、ほかでもないこの自営業者さんだった。
「あるものさがし」じゃ食ってはいけない。「ないものねだり」が商売なのか。
だとしたら、経済って皮肉だ。