長かった髪をばっさり切った。そろそろ、決別したい生活があるのだ。
15cmぐらい切ろうとして、あの人と出会った頃の長さに、戻るんだと気がついた。
伸びた髪の長さはちょうど、あの人に捧げた歳月だとして、髪を切ればその時間も、なかったことになるのだろうか?
出来るなら、知り合う前の私に戻って、置いて来た夢探したい。
と、竹内まりやは歌ったけれど、私にはまるで共感出来ない。
それどころか、例えば大切な後輩が、私と同じ行動を選ぼうとしたら、きっと止めることはせず、背中を押すに違いない。
常に理性を口にしながら、実は甘い期待でいっぱいだった心。
優しかったあの人以上に、可愛かった自分が大好きで、だからこそその記憶に、消えてなくなって欲しくない。
毎日を、ありがとうと大好きで結ぶ。
目的地より、道のりを楽しむこと。それ自体に価値があるんだ。
教えてくれたあの人に、ありがとう。大好き。
そして、さようなら。