親戚の家は、アントワープの郊外にあった。
アントワープといえば、有名なのは「フランダースの犬」。DVDで予習しようと、見るうちアニメに夢中になった。
才能を与えられながら、貧困に苦しむネロ。その暮らした家や野原は、今や工業地帯となり、見る影もない。
しかし最期、「ルーベンスの絵が見たい」と、パトラッシュと向かう教会は、びっくりするほどそのままに、そこに存在していた。
知らなければ、ただの絵、ただの教会だったかもしれない。けれど、知っていたおかげで、深い感動を味わえた。
旅をするなら、準備が肝心。それで楽しみが、3倍になる。