ゆかこの部屋

小さな幸せを集めて貯めるblog

情報を「残す」ということ

昨年、民主党が政権を取るか取らないか、という時に、公約をHPに掲載しては、物議を醸すと即日削除、なんてことをしていたのは有名な話。

事の善悪は抜きにして、それは人と情報との関わりが、新しい局面に来たことを物語る、象徴的な出来事だったように思う。

ある本の一節を借りれば、そもそも情報というものは、一度世に出れば、それ自体は上書きされない。つまり「新しく」ならないものだった。

勿論、新しい情報は次々出る。けれど、古いものは古いものとして、本なり写真なり、過去は過去なりに生き残ることが出来た、と。

それが、今やNet時代。「上書き」を覚えた情報は、氾濫を続けている。未来に残したい情報は一体どれだけあるか。

というより、「残す」という価値観さえ、消えかかっているような気がする。

GW最終日、新宿区立歴史博物館というところに行った。

特別展は佐伯祐三。彼の生きた、明治~大正の下落合風景。

常設展も面白かった。たまたま自転車で来た道の、江戸時代の模型が置かれていた。
※今の伊勢丹辺り

情報の価値について_a0106978_0104259.jpg

両者に共通するのは、今も存在する土地の、今は存在しない過去の姿。

知らなくても困らないけど、知ることによって世界が広がる。それが、歴史という名の小宇宙。情報には、そういう側面もあると思う。

上書きの時代に。情報を扱う一市民として、「残す」価値のあるものを、創りたいと思う。