淡路島で、「土と生きる人」に会ってきました。
まず紹介したいのは「花岡農恵園」さん。
こちら、通常の慣行農法ではなく、この頃人気の有機農法(オーガニック)でもなく、「自然農法」を取り入れているという珍しい農家さん。
自然農法とは、「耕さない、草刈りしない、農薬はもちろん肥料もやらない」で育てる農法のことで、畑(有機農法)をしている私からすると、「それで育つの?」なんてツッコミたくもなりましたが、本当にそれでいいんですって。
オーナーの花岡さん曰く、自然農法とは土本来の力を復活させること。ここでは5年かけて土を自然に還したそうで、一度還してしまえば、土は土中に存在する微生物の働きで、耕さなくても柔らかくなるし、草刈りしなくても荒れなくなるし、肥料をやらなくても立派に育つようになるんだとか。
実際、畑でいただいた水菜は、市販のものより骨太で、ドレッシングより味が強くて、まさに生命力の塊でした。
一方で、花岡さんはこんなことも。
「慣行農法の過剰な施肥が、土を弱くしてしまった」と。
施肥自体が、土の中にあるべき微生物を殺してしまい、結果として、微生物同士の合成を弱め、肥料の必要な土にしてしまったんだと。生産性向上の裏で、こんな矛盾が起きていたとは。
しかし考えてみると、こういうことは人にもあって、例えば消毒や除菌をしすぎて、アレルギーの子供が増えたとか、すぐに風邪薬を飲むせいで、かえって引きやすくなったとか。
きっと、土や人があるべき状態になるには、ある程度の時間がかかるのです。それを急ぐあまり、強引に進めてはいけない。できないことまでしてはいけない。
という、土と生きる花岡さんならではの、強いメッセージを感じました。