ゆかこの部屋

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もっと出来ることがある!と感じられる映画「料理人ガストン・アクリオ」

ドキュメンタリー映画「料理人ガストン・アクリオ」を見てきました。


著名なペルーの料理人を追ったドキュメンタリー!映画『料理人ガストン・アクリオ 美食を超えたおいしい革命』予告編

世界的に注目されることのなかった「ペルーの食文化」に光を当て、食を通じてペルー国民のプライドを回復させた料理人。「明日にでも大統領になれる」といわれるほど、人気のある人だそうです。

一緒に見た人の中には「これはプロパガンダ(政治的な宣伝)だ」と感じる人もいたみたいですが、私は単純に、「自分と世界が仕事を通じて繋がっている」ということを、妥協なくやり抜いている人だと感じました。

GASTON ACULIO

ペルー人のガストンは、父を政治家にもつエリート。財政難に喘ぐ祖国を出て、スペインやフランスで料理の勉強をします。

その中で「祖国に恩返しをしろ」という父の教えを思い出し、ペルーでフランス料理店を開きますが、次第に「ペルーでフレンチ?」という違和感を感じることに。そしてペルー人ですら考えたことのなかった、「ペルー料理」というものを確立することになります。

やがてガストンは、「食にまつわるストーリー」を表現する料理人として、

  • 低賃金で食材を供給する、漁師や農家の声を聞きに出向いたり
  • 貧しくて進学できない、若者向けの料理学校を開いたり
  • 小学校で子供たちにペルー原産の食材について教えたり
  • 料理自慢の主婦のレシピを店で実際に採用したり

と、政治家も顔負けの活動を展開。目的は、ペルー人の自己肯定感と国力の向上です。

NOBLESSE OBLIGE

ノブレス・オブリージュ」って、聞いたことがあるでしょうか?

恵まれた環境に生まれた人は、自分だけでそれを享受せず、下々の者の幸福を考える義務がある、という日本の「武士道」にも繋がるものですが、

自分の関わる「食」というものから、ここまで活動の幅を広げるかと、その視野の広さと当事者意識の高さに、感動しないではいられませんでした。

そして自分に置き換えて、私たち「下々の者」の仕事だって、世界と繋がってるんだよなぁと、良い意味で、生きている責任を感じたのでした。

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