日本人として自慢したい文化の1つに、「自然と共にある」というものがある。
森羅万象を神として「八百万の神」と崇めること。それによる謙虚さが、日本人特有とされていること。
修学旅行ぶりに、嵐山の天龍寺に行った。
私は、日本ならではの造園法、「借景」について説明した。
遠くにある山までも、庭の景色に取り込むこと。自分より大きなものを、小さな自分に取り込むこと。
またその一方で、「苔」のようなものまでも、しっかり管理されるのを見た。
自分より小さなものもまた、大きな世界に取り込むことだ。
この、分け隔てない「一緒くた」は、日本人ならではの感覚。一緒くた故に、礼を尽くさねばならぬことも含め。
強い弱いがあれば、争いが起きる。それより一緒くたでいたほうが、寧ろ平和じゃないですか?
と、庭が喋るともなく喋っているような気がした。