10日間の醸造研修が終わりました。
最初の3日間が座学、次の4日間が周辺業務(樽詰めなど)だったことは既に書きましたが、最後の3日間、いわゆる「仕込み」業務が本当に辛かった………。
細かいことは割愛しますが、できないこと、分からないこと、ついていけないことがいっぱい。
筋力ない、能力ない、故に自己効力感までも奈落の底へ落ちる日々。「私ってそもそも、何の力があったんだっけ?」と聞きたくなるほど。
そんな連日の肉体労働と、慣れない暮らしに疲れたか、研修を終え、宿舎へ戻る道中、涙がぶわぁーっと溢れてきました。
がっ!
「できないからこそ」研修を受けるわけです。得られたものは多かった。いや、得たものしかなかった、が正しい。
得られたもの①
まずは体力の限界と、意外な回復能力が分かったこと。
研修前に不安だったのは、25キロの麦芽袋を抱えられるか、でしたが、蓋を開けてみりゃビール樽も25キロ、麦芽粕も25キロってことで、不安がってる暇などなし。ヒーヒーいいながら抱える内に、ポイントは筋力より筋肉の使い方だ、ということが分かってきました。
更に驚いたのは、もう歩けなくなるほど疲れた日でも、10時間ぐらい寝れば翌朝には治っていた、ということ。どうにかは、なる。
得られたもの②
とはいえ、こんな心許ない私が独り立ちできるかっていったら別の話で、篠山に戻ったらすぐにでも、会社に相談しなければなりません。
醸造業は想像以上に重労働であること。2人がかりで回すのがやっとであること。これに加え、卸売やパブ運営までしなければってなったら、人員追加などの策が必要であること。
これらを伝えるために、実際の「工数」(1日で1500本詰められる、とか)が分かったこと、判断材料として提供できるようになったことは、現実の利益として大きかった。
というわけで、「現実」が見えた10日間。
書きたいことはもっとあるけど、とにかく明日から頑張るべきは、人の力を借りながら、自分にできることを増やしていくこと。焦って大火傷でもしたら誰も幸せにならないし。
そして、最後まで見捨てないでくれた師匠がたと、引っ張ってくれたY田くんには感謝しかない。
時間は絶対かかるけど、投げ出さずに頑張ります。
研修最後の日、午後はどしゃ降りだった上勝の空が、帰りは満天の星だった。ので、OKだったと考えていこう。
ありがとうございました。